― 歴史を維持し、未来へつなぐ ―
リビエラカントリークラブ 90年の「こだわり」

名士が集い、至福の時を過ごす「最高峰」のクラブ

創立から90余年の歴史を通じて、一流ゴルファーたちが覇を競う舞台となる一方、社交と憩いの場として各界著名人の方々にも愛され「世界最高峰のプライベートクラブ」と讃えられた、私たちリビエラグループの“フラッグシップ” ― リビエラカントリークラブ ―(以下RCC)。その歩みをひもときながら、100周年の節目に向けた私たちの取り組みについて紹介したいと思います。

RCCが位置するのは、米国カリフォルニア州ロサンゼルス市郊外のパシフィックパリセーズ。ユーカリとシカモアの植生が広がり、その名のとおり太平洋を臨む自然景観に富んだ地であり、ハリウッド、マリブ、サンタモニカにも程近く、セレブたちにとってはこの上ないロケーション。この絶好の地に着目し、開業したのがRCCです。それは1926年(正式開業は1927年6月)のこと。設計を担当したのは、当時南カリフォルニアで最も評価の高かったゴルフ場設計家、ジョージ・C・トーマスでした。

このころのRCCは、馬場も併設され、1932年ロサンゼルスオリンピック馬術競技会場にもなりました。障害飛越競技で、“バロン西”こと日本の西 竹一選手が優勝しています。当時の上流階級はポロの愛好家が多く、ハリウッド名優たちも定期的にRCCでのゴルフとポロを堪能しておりました。その後、60年代にポロクラブは24面のコートを持つ高級テニスクラブに改められ、30年以上にわたって全米学生選手権が催されるなど有数の実績で知られる「リビエラテニスクラブ」に生まれ変わっています。

また、スペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーン主演映画『Pat and Mike』(パットとマイク)や映画『The Caddy』(底抜けやぶれかぶれ)など、RCCはメジャーな映画の撮影場所としてたびたび利用されました。

1927年RCCオープンの日 ジョージ・C・トーマス

ポロ馬術センターへの入場門

1930年代当時のポロクラブ

ハリウッド映画『Pat and Mike』一コマ

幾多の名勝負を生んだメジャー大会の舞台

「最高峰」であることをめざして、トップの実績を持つ設計家に委ねられたゴルフコースだけに、RCCは開業当初から、幾多のメジャー・トーナメントの会場に選ばれてきました。当時16歳のタイガー・ウッズが、鮮烈なメジャーデビュー(1992)を飾ったことでも記憶されるPGAツアーLAオープンは、例年2月開催。ごく一時期を除きRCCが固定会場となっています。RCCを離れていた時期もファンの間では復帰を望む声が高く、クラブメンバーでもあったカントリーミュージック界の大物、グレン・キャンベルらの熱心な運動により70年代からはRCCに定着、現在に至ります。

米国プロゴルフファンの間では、「ホーガンズ・アレー(ホーガンの小路)」と親しまれるRCCですが、これは、伝説的な名プレイヤー、ベン・ホーガンが、1947年のLAオープン、1948年の全米オープンとLAオープンを制したことにちなむもの。いずれもRCCが会場です。RCCで開かれたメジャー大会は他に、全米プロゴルフ選手権(1983/1995)、全米シニアオープン(1998)、全米学生選手権(2012)、全米アマチュア選手権(2017)などがあり、四大メジャーを3回開催しています。また2028年のロス五輪でゴルフ競技が実施される場合、RCCが競技場となることが決定しています。

1929年リビエラで初めて開催されたLAオープン

全米オープン(1948年)/LAオープン(1947・48年)優勝 ベン・ホーガン

アーノルド・パーマー

フィル・ミケルソン

栄光の歴史を維持し、未来へ発展させる努力

ベン・ホーガンは「RCCの4番は全米有数のショートホールであり、私が最も好むもの」という言葉を遺しましたが、“帝王”ジャック・ニコラウスもまた「RCCの10番は、全米で一番短く戦略性に富んだパー4のホールであり、メジャー大会を開催しているコースの中で最も素晴らしいものの一つ」と語っています。このふたりと同様に4番・10番を“ベストホール”にあげるプレイヤーは多い。また「ボギーの木」で知られる12番も人気。これは名優ハンフリー・ボガードが訪れてバーボンを飲んでいたという名所。歴史あるクラブだからこそのエピソードです。

リビエラは、歴史の一つ一つにこだわります。現在のRCCは、1988年に日本の私たちが経営承継して以来「ジョージ・C・トーマスJr.設計の原点に返る」とのコンセプトで開業当初の魅力を保全し、大切に運営してきました。その一方、メジャー大会会場に選ばれるRCCは、常に最先端であることも求められています。全米屈指の実力を持つコース管理者、ポール・ラッチョウを顧問に招聘。「毎日がトーナメントコンディション」を標榜し、用具の進化にも対応したコースメンテナンスに取り組んでいます。また、2016年より、ロサンゼルス市に協力して治水事業「小川プロジェクト」に着手しました。これは、海洋環境に負の影響を及ぼしつつあるサンタモニカ渓谷からの湧水を、RCCに引き込んで貯え、浄化した上で用水とするもの。この地域でしばしば起こる干ばつへの備えも担っています。この治水の様子を地域の子どもたちに示すことで、教育面での社会貢献効果も期待されています。

そして、もう一つ。クラブハウスの「全館ミュージアム化」を推進しています。RCCで催されたトーナメントの歴史はもちろん、絶好のロケ地として数々のハリウッド映画に色を添えてきた歩みについても展示。資料的価値もさることながら、クラブハウス自体が見応えの博物館になることでしょう。歴史を維持し、未来へつなぐ。それがRCCのミッションです。2028年五輪開催という大きなイベントを控えて、RCCは新たな100周年への歴史を刻む努力を重ねていきます。

ミュージアムのショーケース

コースからのクラブハウス全景