2021年10月発行

TOKYO 2020

関係者の声で振り返る東京五輪

第32回オリンピック競技大会―コロナによる緊急事態宣言下での開催。しかし、選手たちが与えてくれた感動と、運営に携わった人々が味わった達成感は、どの大会にも劣るものではありません。ひとりの生涯において、おそらく3度目はありえない自国開催五輪。このエキサイティングな体験に関われたことに感謝して、ともに情熱を傾けた方々のコメントでTOKYO2020を振り返ります。

インタビュー:渡邊華子

地域との一体感で
開催できたことが嬉しい

日本セーリング連盟 会長 河野博文さん

2013年のIOC総会で東京開催が決定した直後から、日本セーリング連盟は「メダルを狙える選手の強化」と「大会運営を担う人材養成」を目的に、ワールドカップなど数多の国際レースを招致。選手とスタッフが世界を相手に技量を磨く機会創出に努めました。
五輪開催にあたり悩ましかった1000杯ある江の島の常置艇の移設では、リビエラをはじめとするマリーナや港に助けられました。そして準備段階では、われわれ競技関係者と、近隣マリーナや地元漁業者といった立場の違う方々が一堂に会し、気持ちをひとつにするレセプションをリビエラ逗子マリーナで開けたこと、大庭さんをはじめとするリビエラのスタッフを派遣してくださり本番に臨めたこと……等々、本当に心強かった。
技量ある選手が勝つ条件が揃う、南風が吹き波が大きくなる江の島らしい天候で迎えた五輪本番。台風も逸れて快晴、最高でした。
今大会ではメダルこそ逃しましたが、五輪では初の2種目入賞。また、IOC首脳陣や海外チームの代表たちは「日本の運営は完璧だった」と絶賛してくれました。国際大会の運営ノウハウがTOKYO2020のレガシーです。
今後の日本のセーリングは、クラブの活動が重要な役割を担うでしょう。今回の地元開催を契機に、四方を囲む海と親しむ文化が育まれ、セーリングが生涯スポーツとして確立されれば幸いです。

橋本聖子 トーマス・バッハ

左:五輪組織委員会 橋本聖子会長と
右:ボランティアを激励するIOC バッハ会長と

江の島を世界に発信!!

神奈川県知事 黒岩祐治さん

「江の島は、風も、潮も、波もいい。しかも水がキレイ。景色も抜群。富士山を見ながらのレースです。最高のおもてなしでお迎えします」
リオ五輪のセーリング会場で、各国のコーチ陣を前に私はこんなスピーチを行いました。TOKYO2020の本番会場を見た時、私は自分の言葉の的確さを確認し、胸が熱くなりました。
キラキラと輝く湘南の海を疾走する各国の艇。その姿が海に設置された50メートルのスクリーンに映し出され、世界中にも配信。セーリングの聖地・江の島の存在感をアピールできました。
艇の移動にご協力くださったヨットオーナー、リビエラをはじめとする艇を受け入れてくださったマリーナや港、レース海面の確保にご協力くださった漁業関係者、たくさんのアサガオで歓迎してくれた地元の子供たち、笑顔で盛り上げてくださったボランティアなど、すべての関係者に心から感謝いたします。

見知らぬ人の「頑張って!」が
嬉しかった

セーリング競技 女子470級 吉田愛さん/吉岡美帆さん

自国開催の五輪は、セーリングという競技の魅力を、日本のみなさまに直に知っていただく絶好の機会。1年延期になったとはいえ、開催していただけたことに感謝しています。
この1年間、いつ大会が開かれても大丈夫なように準備してきました。アスリートにとって、1年という時間の影響は小さなものではありませんが、それはすべての出場選手にとって同じこと。その1年間をプラスに変えていこう、そういう思いで頑張りました。
ベストを尽くしましたが、メダルに手が届かなかったことは本当に悔しい。この戦いを終えたばかりの今、先々のことはまだ何も考えていませんが、日本人の体格に向いた470級が次のパリ五輪の種目に残ったことはよかった。470級で五輪をめざす選手が増えて、国内での競争がもっと盛んになれば、私たちはもっと強くなれます。
その意味でも、ジュニアで頑張っている子どもたちをもっと支援できる環境がほしい。選手として、また、子を持つ母のひとりとして、切に願っています。(吉田さん)

国際大会で戦うアスリートは、海外遠征を重ねて、他国の選手と自分のレベルを比べながら腕を磨くもの。本番目前で海外に出られなくなったことは痛恨事でした。
開催自体が延期と決まり、海外勢との比較検証なしで、ひたすらフィジカルと技術を磨き続けた1年。でも、迷うことなく「自分たちがどう成長するか」だけを考えて活動できたのは、吉田愛という偉大なパートナーのおかげです。
初めてペアを組んだとき学校を卒業したばかりだった私は、ずっと吉田選手の背中を追ってここまできました。本当にストイックで、勝つために必要なことは全部やる人。でも、家に帰ればお子さん最優先のママでもあって、時間が限られた中での集中力がすごい。
私も緊張に満ちた日々を過ごしたわけですが、自国開催というのはありがたいもので、ハーバーでボランティアの方から「頑張って!」と声をかけられて嬉しかった。洋上で行うヨットレースは、そもそも普段から無観客。見知らぬ人の声援が選手の耳に直接届くことはありません。大いに力をいただいた瞬間でした。(吉岡さん)

吉田愛 吉岡美帆

2021年10月社内報告会にて

この上なく快適だった
リビエラでの滞在

セーリング競技 スペイン代表チーム監督 サンティアゴ ロペス・バスケスさん
男子470級 銅メダル ホルディ・シャマルさん
男子470級 銅メダル ニコラス・ロドリゲス ガルシア パスさん
男子フィン級 銅メダル ホアン・カルドナ メンデスさん

世界的なパンデミックのさなか、素晴らしい五輪を開催した日本に感謝します。安全でクリーンなゲームを実現した日本の組織体制と勇敢な姿勢に敬意を表します。
あまりに多くの人々がコロナに苦しめられたことを思えば、1年の開催延期を良いことだったと言うわけにはいきません。しかし、すべての出場選手が平等に、1年の準備期間を与えられたこともまた事実であり、私たちは前向きに捉えようとしてきました。
私たちはリビエラ逗子マリーナを事前キャンプ地として、2018年から4回にわたり相模湾でトレーニングを行ってきました。その折々に受けたみなさんのもてなしに、心から感謝を申し上げます。
リビエラ逗子マリーナでの滞在はこの上なく快適でした。提供されたサービスの質とホスピタリティのレベル、そして、実質4年の長きにわたる継続的なサポートに、私たちは感動しています。直接対面できなくなった大会開催の直前においても、最終準備に臨む私たちを、万全の感染防止策を講じて応援してくれました。
また、ホストタウンとしての逗子市の温かさも忘れることができません。桐ケ谷市長をはじめとする逗子市民のみなさんが、一体となって歓迎してくださったことは、私たちに多くのエネルギーを与えてくれました。
ビエラスタッフともアットホームな関係性を築くなど、逗子ではまるで母国スペインで過ごしているかのように感じたことが、事前のワールドでの好成績や、五輪大会での2つの銅メダル獲得と2つの上位入賞につながりました。
帰国の途についた私たちをマヨルカ島まで迎えにこられたスペイン国王も首相も、この成果を祝福してくださいました。
最後に、ジュニアセーラーのみなさんに伝えたいと思います。
どれほど困難なことがあっても、練習と努力を続ければ、必ず目標は達成できます。
ガンバロー!!
アリガトウ、ズシシ!!
アリガトウ、リビエラ!!

TOKYO2020

TOKYO2020本番

リビエラ逗子マリーナ

2018年 リビエラ逗子マリーナでの歓迎会

リビエラ逗子マリーナ

左:地元の小学生と交流
右:スペイン王立セーリング連盟、スペインの旗で歓迎

スペイン王立セーリング連盟

スペイン王立セーリング連盟、スペインの旗で歓迎

“ホストタウン”の3市町長に伺いました

TOKYO2020セーリング競技では、競技会場・江の島にほど近い鎌倉市・逗子市・葉山町の各自治体が、
“ホストタウン” として各国代表チームを受け入れ、国際交流の輪を広げました。
各国選手団と地域住民の交流について、3市町長に伺いました。

フランス×鎌倉市

フランス代表選手たちは市民との交流にも熱心でした

鎌倉市長 松尾崇さん

鎌倉市とフランス・ニース市は1966年から姉妹都市の関係にあります。ニースも鎌倉も海辺の歴史都市。姉妹都市提携50周年で同市を訪問した際、セーリング代表チームの活動を知り、「両市の共通点を活かした交流になる!」と思いホストタウン受け入れを提案。2018年4月に事前キャンプに関する協定を締結しました。
五輪前哨戦となるセーリング・ワールドカップの際には、鎌倉プリンスホテルで祝賀会を催したのですが、鎌倉市民有志の「お囃子会」や「纏の会」が参加してくれて、日本の伝統文化を披露していただきました。さすがは〝文化の国〟といわれるフランスです。選手たちは日本の文化に対する敬意と関心を寄せて、ステージに上がってともに和太鼓演奏に挑戦するなど、大いに盛り上がりました。
また、地元の子どもたちとの交流の場では、愛情をもって接してくれて、私が恐縮するほど。
フランスの代表選手たちは、シビアな勝負だけでなく、市民との交流も自分たちの役割と認識して、親善活動にも熱心に取り組んでいました。それだけに、コロナ禍により対面での交流活動が難しくなり、大会自体も無観客開催になったことは残念です。
しかし、SNSを通じた新たな交流が生まれたことはプラスだと思いますし、ドローンを駆使した中継で沖合での熱戦を目の当たりにできたことは貴重な体験でした。
今五輪では、スケートボード競技の10代の選手たちが、国を超えて称え合う姿が印象的でした。あれこそ五輪本来の理念でしょう。
次回はパリ五輪。今度は日本のチームがお世話になるわけですから、鎌倉市としても橋渡しになる何かができればと模索中です。

友好証書の調印式

友好証書の調印式

スペイン×逗子市

事前キャンプを引き受けたリビエラと歩みをともにして

逗子市長 桐ケ谷覚さん

リビエラ逗子マリーナが2018年6月からセーリング・スペイン代表チームの〝事前キャンプ〟をお引き受けになって、逗子市にもホストタウンのお話をつなげてくれました。リビエラの存在がなければ、スペインと逗子市のご縁は生まれなかったことでしょう。
逗子市・リビエラ・スペインセーリング連盟との三者協定を2018年9月に締結し、市内の生涯学習活動団体やスポーツ団体、商工会などと連携した交流事業がスタート。選手と子どもたちが一緒に給食を食べたこともありました。
リビエラ逗子マリーナでは、2年にわたり歓迎会を開催し、対面ができなくなった五輪直前も、食事中に私からの応援ビデオメッセージで選手につないでくれるなど、全社員が心を揃えてサポートしてくれました。
無観客開催は残念ではありましたが、その分映像で熱戦を楽しみました。技術革新された中継映像に馴染み深い我が街・逗子の景色が背景として映っているのを見るのは嬉しいもので、その魅力は全世界に伝わったはずです。すっかりセーリングの虜になった私個人としては、日本でも海外のようにもっとTV放送されて、セーリングがメジャースポーツになってほしいと思います。
ホストタウンとして関わった地元開催五輪をひとつのきっかけとして、日本でもボートやヨットの文化がさらに盛り上がり、「海が見える街」の逗子市から「(船を操って)海に出られる街」になってほしいと願っています。

スペイン選手 桐ヶ谷市長

大会報告に来られたスペイン選手が桐ヶ谷市長、リビエラ小林を囲んで

イギリス×葉山町

「ヨット発祥の町」として選手目線のサポートにこだわりました

葉山町長 山梨崇仁さん

私自身が五輪を目指した元ウインドサーフィン選手。かつて戦った往年の選手たちがコーチとして参加していた江の島五輪ウィーク2016で、町の案内パンフを直接配りホストタウン誘致に取り組みました。2017年、セーリング・イギリス代表チームと事前キャンプの単年協定を締結。その後、複数年協定に移行しています。
断トツのヨット大国である英国チームを迎えるにあたり、私は葉山町が競技者の目線で支援できると示したかった。伝統芸能や住民の温かさでもてなすことも大事。でも〝日本のヨット発祥の地〟にはできることが別にあるはず。そう考え目をつけたのが県の指定でリビエラが管理する葉山港でした。五輪競技運営の中核を担った大庭さんが鍛えた葉山港のリビエラチームは、さすがの対応力。英国のみならず複数の来日代表チームの難題に応えてくれました。
ホストタウンを終えたとき、英国のコーチが「これまで参加したすべての五輪で葉山がベスト」と言ってくれたのは、競技者にとっての快適環境へのこだわりが認められた証。彼は選手・コーチとして8回も五輪に関わっています。
交流面でも「ヨット」がメイン。2018年には多くのみなさまの協力で葉山ヨットフェスを開催し、英国チームと町民の親善レースを実施しました。私も混ざって出場したのですが…選手時代の負けず嫌いが顔を出し、空気を読まず英国チームに勝っちゃいました!
五輪閉幕後、英国旗と選手たちの署名入りのウインドサーフィン「RS-X」を贈られました。11月から町役場で展示予定。他に類のない、葉山ならではの五輪と国際交流ができた5年間でした。

エマ・ウィルソン

金メダリスト エマ・ウィルソン選手とのワンショット

リビエラが体感したTOKYO2020

セーリング競技海面での運営、セーリング・スペイン代表チームの事前キャンプでの対応や接遇で貴重な経験を積んだ社員が多数。
中には大会組織の一翼を担った者も。活躍の場を得たことに感謝!!

レースエリアから最も近いマリーナとして、また、日本セーリング連盟の「日の丸セーラーズ」オフィシャルパートナーとして、リビエラは、開催に向けて微力ながら協力してきました。
キャンプ地を探していたセーリング・スペイン代表チームから、同国政府機関を通じてリビエラに協力要請があり、2018年、リビエラ逗子マリーナでの事前キャンプが始まりました。それならば町ぐるみでスペインチームを応援しようと逗子市にお声がけし、ホストタウンになることが決定!
同じく2018年、スペイン王立セーリング連盟 フリア・カサヌエヴァ会長、逗子市、そしてリビエラの三者による協定を締結しました。五輪本番までの間、リビエラ逗子マリーナではスペインチームを受け入れ、ハーバー利用や宿泊の他、、送迎や食事の提供、様々に対応するコンシェルジュとしても、チームを全面的にサポートしてきました。また、リビエラ主催の歓迎会も開催。
「4年もの長い期間の中で選手ひとりひとりとアットホームな関係を築くことができ、選手の誕生日をお祝いするほどでした。しかし五輪直前キャンプでは、接触をなるべく減らすことが最善のもてなしになってしまいました。せめてお食事だけはと、選手からのリクエストのお寿司など、心づくしの料理を楽しんでいただきました。また、ホストタウンの温かさを味わってもらおうと逗子市と連携し、夕食時に桐ケ谷市長から市民メッセージをリモートで届けていただいたときは、選手のみなさんも大感激されていました。コロナ禍の前も今も、私たちの思いは変わりません。世界で活躍するアスリートをお招きできたことは誇りです」(サービスマネージャー 寺島談)

セーリング・スペイン代表

セーリング・スペイン代表チームの事前キャンプに関する三者協定締結式(2018年)

三者協定締結式

セーリング競技運営のための三者協定締結式(2019年)

江の島でオリンピックを開催するには、湘南港に保管されている艇の移動をはじめとする各種オペレーションやセーリングの普及啓発に関する事項で連携を強化し、協力して準備を進める必要がありました。
そこで2019年、湘南港の所有者である神奈川県、指定管理者の株式会社湘南なぎさパーク、そしてリビエラの三者協定を締結。一艇でも多く江の島艇を受け入れられるよう、リビエラ逗子マリーナではスペース確保のために、ハーバー内で事務所として利用していた建屋を取り壊し移転するなど、リビエラグループが管理する3マリーナで計167艇を受け入れました。
五輪本番では、リビエラ所有のカタマランヨットをレース運営本部艇として派遣し運航。
「五輪会期前後の4週間は、江の島の競技会場と海上に張り付きでした。タイムレースでは肝心な、時間を表示する電光掲示板をカタマランに搭載した上で船を通常稼働させ、なおかつレース運営準備をする重要な役目。電源に限りがある海上といえども、電光掲示板の表示が一瞬でも消えることは許されません。リビエラのメカチームと連動し、メンテナンスを余念なく行い、この貴重で学びの多い任務を遂行しました」(レース運営本部艇キャプテン 高林談)
無観客開催でなければ、他にも公式観覧艇の運航とお食事提供、リビエラ逗子マリーナ内でのパブリックビューイングなども予定していました。これらが実現できなかったことは残念ですが、多くの社員が活躍できたことに誇りを感じ、運営として関わらせてもらえたことに心から感謝しています。
そしてリビエラ社員の中でも五輪の一番の功労者は、葉山港管理事務所の初代所長である大庭。リビエラでは、五輪組織委員会から「余人をもって代えがたし」と名指しで、大庭の「レースマネジメント委員会委員長」への就任を要請され、3年間、リビエラでの業務を完全にストップし、五輪に専念できる環境を整えました。

リビエラスタッフ

運営艇で活躍したリビエラスタッフ(写真撮影のためマスクを外しています)

リビエラ逗子マリーナ

2018年 セーリング競技関係者レセプションパーティー(リビエラ逗子マリーナ)

未来への種蒔きをさらに加速したい

株式会社リビエラリゾート 兼 日本セーリング連盟 レースマネジメント委員会委員長
兼 東京五輪セーリング スポーツマネージャー 大庭秀夫

リビエラ社員としての勤務の傍ら、明治大学体育会ヨット部総監督、日本420協会会長、神奈川県セーリング連盟理事、日本ヨット協会レース委員長を務めてきた私にとっても、五輪はやはり別次元でした。
セーリングでは、世界選手権でも参加国は20~30カ国。今五輪は60カ国超。規模感が違います。
映像技術の進化を目の当たりにさせられた大会でもありました。たとえば、風を相手にするセーリングではヘリコプター空撮は厳禁ですが、ドローンで迫真の映像が撮れるようになった。そして、出場艇にも複数のカメラが取り付けられています。メディア側の要求レベルも段違いなので、そこを理解した競技運営が求められます。
技術といえば、競技開催中、私はGPSで出場艇や50隻を超える警戒艇の動きを追っていました。従来にはなかったシステムです。
今大会では採用に至りませんでしたが、目視によらずフライング判定できるシステムもできていて、パリ五輪では使われるはずです。
その一方、スタッフによる〝匠の技〟も大事。江の島沖は水深100mと、世界的にも水深の深い海域なので、アンカーマークの設置は至難の業で、風を見ながら何度も打ち直すことを繰り返したものです。そのかいあって、世界大会を担える人材も育ちました。全競技が終わった後、選手たちのスタンディングオベーションを受けたときは感無量でした。
役を終えた今、私の次なるミッションは、この貴重な経験をリビエラの現場に持ち帰ることです。
日本のセーリング界には、リビエラ未来創りプロジェクトで取り組んできた海洋プログラムがますます重要です。五輪をともにした人々とも協力して、未来への種蒔きを加速させていきたいですね。

大庭秀夫

X ポスト facebookシェア LINEで送る