2019年9月発行

渡邊 曻

株式会社リビエラホールディングス
代表取締役会長兼社長

渡邊 曻

五輪開催に向けたレセプション

東京2020オリンピック開催まで、いよいよ1年。同五輪セーリング競技の会場となる江の島(神奈川県藤沢市)では、前哨戦というべき「セーリングワールドカップシリーズ江の島大会」が開催され、当地での盛り上がりは最高潮に達しようとしています。〝レースエリアに最も近いマリーナ〟として両大会の運営に参加させていただいているリビエラは、グループの総力をあげて、ワールドカップならびにオリンピックを全力で応援し、選手たちや大会関係者が安心して試合に集中できるよう、安全で居心地の良い環境の提供に努め、セーリング競技・マリンスポーツの発展に尽くす所存です。
この度、栄に謝する思いから、レセプションパーティを主催させていただきました。「ワールドセーリング」の開催前夜祭でもある「Welcome to 2019 WCS & 2020 OLYMPICS PromotionalParty」。五輪を成功させるためには、それぞれの立場を超えシンプルに心を一つにすることが不可欠。その働きかけは民間であるリビエラだから果たせる役割と考え、競技関係者、内外の五輪運営関係者、地元行政、地元漁連といった皆様をお招きした会です。
その折に私は、2028年開催のロサンゼルス五輪において、私どもの「ザ・リビエラカントリークラブ」(RCC)がゴルフ競技の会場となることを、改めてお伝えしました。
RCCは、1932年のロス五輪では馬術競技の会場となりました。〝バロン西〟こと西竹一選手が金メダルを獲得した大会です。
五輪との深き縁を誇らしく思うリビエラは、縁に結ばれたすべての皆様に感謝し、この僥倖を広く世の中に還元していきたいと願っています。

Welcome to 2019 WCS & 2020 OLYMPICS Promotional Party

(左から)リビエラ渡邊、JSAF 河野会長、ワールドセーリング アリステラ・フォックス氏、藤沢市鈴木市長、神奈川県浅羽副知事、東京2020組織委員会中村スポーツ局長

東京2020とシナーラの機縁

縁――といえば、この4月、日本セーリング連盟名誉会長の山崎達光さんを、一般社団法人日本海洋アカデミーの代表理事に三顧の礼でお迎えしました。山崎さんは、実は、リビエラがレストア(本格修復)に取り組む歴史的帆船「シナーラ」とも浅からぬご縁をお持ちです。シナーラが現役航海をしていたころ、香辛料が日本に到達した海洋ルートをシナーラで辿るというテレビ番組があり、その提供スポンサーが、山崎さんが社長・会長を務めたエスビー食品。先般のシナーラ上棟式にもご来賀くださった山崎さんは「この船が再び海に浮かぶときは、ぜひ舵を取らせてほしい」と仰せでした。
当初は私一人の夢ドリームとして始めたレストアプロジェクトを、山崎さんはじめ多くの方々が、わが事のように期待してくださることに、私は胸を熱くしています。
リビエラシーボニアマリーナの作業場では、伝承技術を持つ各国の船大工たちと、前時代の匠のわざに学ぼうとする日本の技術者たちが、協働を続けています。かつて貴婦人の名をほしいままにしたこの名艇が、リビエラグループが受け継ぐタイミングで、年を経てやってきたことも、まさに機縁でした。
シナーラとの出会いがなければ、歴史的木造帆船やレストアに携わることもなく、クラシックヨットレガッタや英国の最も歴史あるヨットクラブ「Royal Yacht Squadron」など多くの新たなご縁の広がりもなかったでしょう。感謝しております。
国を越えた縁に繋がる職人たちの手によって、シナーラは、東京2020の五輪の海に麗しき姿を示すこととなります。90年を超えた船だけに、設計図も構造計算書もなく、克服すべき課題ばかりです。暗中模索の復元ですが、目の前にある〝実物〟のシナーラと向き合い、職人たちと常に思いを共有することで、私は確信に至りました。この復元は必ず東京2020に間に合うと。彼らの努力に謝し、讃えたく思います。

シナーラ

シナーラ船内にて職人たち
Photo by Yoichi Yabe


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