2018年5月発行

小網代の森

リビエラグループでは、“大自然と共に心豊かに生きる”という理念のもと、
国連グローバル・コンパクトが掲げるSDGsの17の目標に沿い、
CSR活動を通じて豊かな未来創りへの取り組みに力を注いでいます。

「小網代の森」保全活動

三浦半島最南端、リビエラシーボニアマリーナを取り巻く小網代の森は、極めて貴重な場所。 リビエラでは、神奈川県や三浦市、公益財団法人かながわトラストみどり財団、NPO法人小網代野外活動調整会議などと協力し、豊かな自然環境と動植物の保全に努めています。
この取り組みの第一人者、NPO法人代表理事で大学名誉教授の岸由二さんにお話を伺いました。
「森林・湿地・干潟・海が連続する単一の流域〟が自然のまま残された『小網代の森』は、陸域だけで約70kの広さ。東京ドーム15個分にも及びます。上流から河口の干潟までの約1.3㎞に舗装路も家もない、関東で唯一の“完結した自然状態の流域”であり、全国的にも貴重です。
森のシンボル、アカテガニのほか、絶滅危惧種や希少種が多数生育2000種以上の生物が確認され、多様な生態系を形成しています。森に新たに生き物を持ちこんだのではありません。水と光を軸に生活環境を整えることで、元々、生息していた生き物たちが復活し始めたのです。水と光をマネジメントすることで、その場所に合った草や木が育ち、様々な生物が生きる場所を得られるようになりました。小網代の森で見られる“野生のホタル”の数は、2011年には10匹程でしたが、河川や湿地の保全を続けた結果、3年後には700匹、現在は1000匹ほど。その立役者は、絶え間ない手入れ作業”人の手による保護がどれだけ大切なのかがよく解ります。このような自然保護の方法が取れるのも、流域全部が丸ごと守られている『小網代』 だからなのです。
リビエラグループは、私たちの活動を継続的に支援してくださるとともに、NPOとも協働し、スタッフの皆様による定期的な保全活動も実施しておられます。
これからも手を携えて、歩んでいければと願っています」

小網代の森

リビエラグループ2018年
小網代の森・保全活動

カニとしては珍しく、 森に棲むアカテガニ。夏の満月と新月の大潮の夜になると、母ガニたちは海岸へ押し寄せてお腹の幼生を海に放ちます(放仔)。美しい森と海が共存する土地でなければ生息できないアカテガニ。 小網代の森と干潟と海まるごとが、アカテガニの暮らしを支えています。

まもなくホタル観賞会の時期

皆様が安全に鑑賞していただける様、リビエラのスタッフも誘導ボランティアをしています。 宵闇に無数の光が舞う幻想的な夜の森を散策してはいかがでしょうか。

ホタル
岸 由二

慶應義塾大学名誉教授
理学博士

岸 由二

Yuji Kishi

鶴見川流域 三浦半島小網代等を持ち場として<流域思考>にもとづく防災・多自然都市再生のための理論ならびに実践活動を推進。NPO法人小網代野外活動調整会議、NPO法人鶴見川流ネットワーキング、 NPO法人鶴見川源流ネットワークの代表理事 著書 『自然へのまなざし」、「流域圏プランニングの時代』 (共編著)、『流域地図の作り方』、『奇跡の自然の守りかた』、訳書に 「利己的な遺伝子』 (ドーキンス)、『足元の自然からはじめよう』 (ソベル)など。 国土交通省河川分科会委員、 鶴見川流域水委員会委員。
http://koajiro.org/


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