2024年 9月 発行

神戸 峰男
神戸 峰男

「海のある街」
アートで広域な地域活性化

相模湾越しに富士山を望む海のある街「湘南コースト(神奈川県の三浦から湯河原まで)」は、世界から大注目されるポテンシャルに満ちている。20年以上前に湘南でマリーナ事業を始めて以来、私たちは常々感じていました。リビエラではこれまで「LOVE OCEAN プロジェクト」や「ブルーカーボンベルト® 」、「リビエラSDGs作品マンガ大賞」などさまざまな取り組みを実施し、地域活性化を目指して、海でつながる「湘南コースト」全体のエリアブランディングに努めてきました。そしてこの度、湘南から世界に向けたアートの発信を通じて、文化芸術の観点からも、魅力あふれる湘南の広域な地方創生に寄与したいというリビエラの思いに、芸術界の多くの巨匠やリーダーの方々がご賛同くださり、去る11月10日~12日に「湘南国際芸術祭」を開催することができました。

「難しいことを易しく」
ユーモアたっぷりの基調講演

11月10日には、二部制のフォーラムを開催。一部では「芸術は身近なもの」をテーマに、日本藝術院会員で、現在日展理事長や東京藝術大学名誉教授を務め、第22代文化庁長官や第9代東京藝術大学学長も歴任してきた金工芸家の宮田亮平氏による基調講演を行いました。ドイツ駐在時や文化庁長官時代、東京藝大での学生とのエピソードを交えて、「難しいことを易しく」、「古いものからでる面白さ」、「新しいものからの発見」など、参加者を巻き込みながらウィットに富んだお話を聴かせていただきました。

さまざまな視点から語る
トークセッション

二部では宮田氏のほか、日本藝術院会員で日展副理事長・事務局長を務められる彫刻家の神戸峰男氏や神奈川県知事の黒岩祐治氏、元文部科学副大臣で東京大学公共政策大学院教授の鈴木寛氏によるトークセッションを開催。一般の方に加え、多くの日本藝術院会員をはじめとする芸術家の方々が全国からも駆けつけた本フォーラムは、芸術は難しいものだと思われている方も多いなか、楽しく分かりやすく語っていただきました。海から見える富士山の魅力や作品創りの原点、芸術教育の重要性、「海からの視点」を大切にした湘南国際芸術祭への期待など、それぞれの視点でトークが繰り広げられました。参加者か
らは、「あっという間に時間が過ぎた」「もっと話を聴いていたいと駆り立てられた」「芸術の面白さを語られ、アートの世界に引き込まれた」「アートが加わった湘南はグレードの高いリゾートになるだろうと思うとワクワクする」など、さまざまな感想をいただきました。

神戸 峰男

徳川家康騎馬像・徳川四神・西の国からシリーズなど

芸術が湘南に結集
海を基点に新たなツーリズム

メイン会場のリビエラ逗子マリーナでは、神戸峰男氏による特別企画展示とギャラリートークを実施。「徳川家康騎馬像」をはじめ、「徳川四神」、「西の国から」シリーズ、「ターバンの少女」などが一堂に飾られ、訪れた方々はその迫力に圧倒されていました。また、宮田亮平氏の原点でもあるイルカを題材にした代表作「シュプリンゲン」シリーズの新作展示に加え、湘南国際芸術祭が開催される富士山と相模湾からインスピレーションを受けた最新作もお披露目されました。今にも飛び跳ねそうなイルカと海の躍動感に、多くの方が魅せられました。サテライト会場では、大型木造クラシックヨット「シナーラ」の非公開ミュージアム特別観覧のほか、ライトアーティストの伊藤隆治氏による「Moons」、アクアマリンふくしまの「大漁旗アート」も展示。リビエラ逗子マリーナ、リビエラシーボニアマリーナ、江の島ヨットハーバーを活用することで海をつなぎ、海から上陸してアートを楽しむ新たなツーリズムを具現化しました。「湘南国際芸術祭」は今後も、富士山を望む湘南が持つ魅力を海からの視点で改めて掘り起こし、地域課題解決とともに新たな人流を生みだして、文化芸術の観点からもブルーエコノミーを目指していきます。

シュプリンゲン

シュプリンゲン 月光

シュプリンゲン

シュプリンゲン Fuji

シナーラ

「シナーラ」の非公開ミュージアム

大漁旗アート Moons

大漁旗アート Moons

湘南国際芸術祭に
向けてメッセージを
いただきました

芸術は人々の心を豊かにします。湘南国際芸術祭が、アート発信を通じて相模湾を囲む三浦から湯河原に至る「富士山を望む海のあるまち」の魅力をさらに引き出し、新たな人流を生み出しながら、環境問題や広域な地域経済活性化などを目指していることに深く共感し、大いに期待しています。

衆議院議員/第99代内閣総理大臣
菅 義偉 氏

湘南は私が長く留学していた地中海の風物に勝るとも劣らない、むしろそれ以上の素晴らしい景観を持っております。私がよく描く富士山は、ヨットをかけて海の上から見るとより一層美しく、世界の皆さまにもっと知っていただきたいと思っております。

洋画家/日本藝術院会員/文化功労者/文化勲章受賞者 
絹谷 幸二 氏

地球の7割は海です。そして陸と海との調和としてこの地「湘南」は富士山との絶妙なバランスであります。その中での芸術祭は、私のテーマであるイルカとピッタリで、湘南国際芸術祭への出品をはじめ、お誘いいただき関われたのはとても嬉しい出来事でした。

工芸家/日本藝術院会員/文化功労者
宮田 亮平 氏

太平洋に面した湘南の海、壮大なスケールは私の住む瀬戸内では決して味わうことができません。その地で開催される湘南国際芸術祭は未来に向かっての一層大きな展望を感じさせてくれます。より充実したものとなることを心から願っています。

書家/日本藝術院会員/文化功労者
黒田 賢一 氏

湘南は私の憧れ。リビエラ逗子マリーナは都心に近くビジネス街からリゾートへ、大型客船が停まり世界の人々が遊びに来てくださる場所として広がることを思うとワクワクします。日本文化を、そして伝統に今という中で作品を描きたい。更なる発展を願い応援しています。

日本画家/日本藝術院会員
福田 千惠 氏

片瀬山にかつてアトリエがありました。昼は毎日のように湘南海岸に出て、パスタやカレーを食べ、またアトリエにもどり制作を続けました。そんな思い出の地で芸術祭が開かれるのは、本当にうれしいことです。素晴らしい芸術祭に育ってもらえればと思います。

日本画家/日本藝術院会員 
千住 博 氏

「エグゼクティブは美術館に集う」の記事を読んだ。進むべき責任を背負った人にとって、新たな価値観に出会う得難い場所なのだと、統計的にも美術館好きが結果を出しているそうだ。この湘南国際芸術祭は我々にとってもうれしい限りです。

日本画家/日本藝術院会員
土屋 禮一 氏

自然美が有する普遍性を表現することは創作者の永遠のテーマです。日本を象徴する富士、そしてその富士を望む湘南の海は、古より我々が夢見る創作の地です。歴史が育んだ“ 海からの芸術文化の視点” を大切にし、本湘南国際芸術祭が発展することを期待します。

彫刻家/日本藝術院会員
神戸 峰男 氏

富士山のある湘南のスケールの大きい行事に参加させていただき大変感銘いたしました。私は富士山をテーマにして描くことが多く、私でお役に立てることがありましたらぜひ協力させてください。地方創生に湘南国際芸術祭がますます盛んになることを願ってやみません。

洋画家/日本藝術院会員
佐藤 哲 氏

多くの社寺が立ち並び四季ごとに変化が美しい千年の古都。それに匹敵するのは湘南の海と光と富士だ!!紫式部が湘南に在していれば源氏物語は異なっていただろう。私はありえないわくわくする時空の中にいる自分を感じている。式部の邸の跡に佇みながら、京都人である私。

彫刻家/日本藝術院会員
宮瀬 富之 氏

湘南国際芸術祭が豊かな自然と人々の愛に包まれ、多くの人々の心を潤すアートをどのように展開するのか楽しみにしております。立ち向かう大きな波をかわし、時の波に乗って湘南の地から新しい世界に誇れるスケールの大きな「美」の世界の誕生を願うばかりです。

彫刻家/日本藝術院会員
山田 朝彦 氏

中学、高校、大学と、湘南と一緒に遊んできました。この場所は世界にも稀な、開放感と明るさとを持つ場所です。この魅力を、アートの力を使って世界に発信できたらと夢見ています。それは、僕自身を開放していく行為でもあると感じています。

建築家
隈 研吾 氏

海に囲まれた日本の中でも、富士山を望む湘南の美しさに芸術が加わることは素晴らしいことです。湘南国際芸術祭は幅広い芸術文化の発信で世界とつながり、広域な地域活性化を目指していると伺いました。ぜひ音楽の分野でご一緒したいと思います。

ピアニスト
仲道 郁代 氏

「湘南国際芸術祭」という言葉。聴いた瞬間に惚れ込みました。そしてリビエラさん主導の第一回目。度肝を抜かれました。錚々たる芸術家がいきなり大集結。県だって負けてはおれません。沿岸市町でそれぞれ芸術の核を作り、海洋ツーリズムの目玉にしたいです。

神奈川県知事
黒岩 祐治 氏

No.25 リビエラマガジン

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