2023年10月発行

渡邊 曻

株式会社リビエラ
代表取締役会長兼社長

渡邊 曻

国際潮流を目の当たりに

パリから南仏・地中海リビエラ地方とトスカーナ、フローレンスを巡った初秋の旅。一年後に迫ったパリ五輪ゴルフ競技会場で、フランスゴルフ協会や国際ゴルフ連盟、五輪関係者と懇談をしました。また歴史を重ねた世界の名艇が覇を競うクラシックヨットレース「カンヌ・ロイヤルレガッタ」、世界のプレジャーボートの祭典ともいうべき「モナコ・ヨットショー」などを巡りました。L・フェラガモ氏や地中海の友人たちと旧交を温める機会でもあり、ハードでしたが中身の濃い旅となりました。
今回の旅ではヨットショー会場だけでなく、あらゆる地で巨大化したスーパーヨットに遭遇しました。穏やかな海洋環境だけではなく、バカンスをのんびりと海辺で過ごしたい方々が心地よく過ごせる文化が根付いている地中海は、海の紳士淑女たちが集います。
欧米の海辺や街を訪れる度に感じることのひとつに、遊歩道と広場の存在があります。海沿いに設けられたゆったりと広い遊歩道には、そこかしこにアートがあり、カフェがあり、イベントが行われています。
船に乗り、海側からの視点をもつこともできます。肩ひじ張らずに自然と目に入るアートが渾然一体となり、美と海を通じて人々の交流が生み出されます。また、漁業施設やプレジャーボート、高級ブランドやレストランが境もなく海辺に混在しながらも、一体感ある街並みの美しさや優位性が、海のある街の魅力を高めていることに、いつも感心させられます。

海側からの視点で〝種〟を蒔く
湘南と池袋での芸術文化発信

相模湾をより素敵な場所にしていきたいとの思いが、地中海を巡った今回もまた一層高まりました。一方で、私たちの目の前に広がる富士山を望む湘南の海は、地中海にも引けを取らないとつくづく感じます。三浦から湯河原までの湘南コーストは高いポテンシャルがあり、芸術文化の力は、きっと広域な地域活性化に寄与できるものと信じています。そして、「湘南国際芸術祭」がその一石になっていくことを願っています。
主旨にご賛同くださった巨匠の先生方の心意気に感謝しながらのスタートですが、これは第一歩。まずはこうして種を蒔けば、次はどんな化学反応が生じるのか? 
なにしろここは湘南。名だたる文人墨客が居を構え、多くの芸術家を育んできたこの海からのアート発信、実に楽しみです。会期は11月10~12日。第22代文化庁長官を務められ日本藝術院会員でもあられる日展理事長の宮田亮平氏(工芸家)、日本藝術院会員で日展副理事長・事務局長の神戸峰男氏(彫刻家)らによる、フォーラムや作品展示等が実施されます。
11月1~3日、池袋・リビエラ東京で2回目の開催となる「リビエラアートフェア2023」と併せ、秋の芸術文化発信にご期待ください。

次の時代を良くするために
過去に学びたいと願う

ヨーロッパの史跡に残された壁画、絵画、彫刻などから、当時の戦いの歴史をうかがい知ることができます。それらを眺め、今も戦いが行われている地に想いを馳せています。平和の祭典とされるパリ五輪を来年に控えている時期ですが、世界は穏やかではありません。
私たちは過去から学び、未来に夢と希望を託せる社会を創っていきたいものです。真摯に、そして丁寧に山積する課題に取り組むことが、次の時代を必ず良くしていくことだと私は信じています。


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