2022年1月発行

渡邊 曻

株式会社リビエラ

渡邊 曻

茫洋たる海原に
身を置いて想うこと

海原を吹き渡る風はすべてを包み込みます。ときに激しく、荒々しい表情も見せますが、穏やかな海風は、どんな人の心も和ませます。それは大自然の神秘がなせるわざです。
東京都心から、たった1時間。喧騒の大都会で緊張感に満ちた日常を送る人々が、ひととき海に抱かれて、張り詰めた心身を解き放つ。リビエラ逗子マリーナ、リビエラシーボニアマリーナ、そしてその先に広がる海は、そういう場所です。
ヨットやクルーザーでアクティブに過ごすのは海の醍醐味。しかし、茫洋たる大海原に佇み、ただ風を感じて、海からのエネルギーを味わい穏やかに過ごすことこそ、言い尽くせない魅力です。
海は癒し。何事をも受け止めてくれます。海は深く、広い。そして世界につながっています。
リビエラ逗子マリーナで催したあるサロンコンサートでのこと。シューマンのトロイメライを聴きながら、沈みゆく夕日に相模湾越しの雄大な富士山が浮かび上がりヨットが照らされる様を眺めて、胸にあった何かが一気にあふれ出るような感覚を味わいました。かつて滞在した南仏アンティーブのエデンロックを思い起こしたものです。

学びの心を証す
シナーラのエンブレム

海は、学びの場でもあります。
世界12か国50人の職人と共に完全復元(レストア)を成し遂げた歴史的木造帆船シナーラ。
シナーラプロジェクトは、6年半に及んだレストアを完遂しても、まだ道半ば。クルーたちがこの船特有の操船の技を得て、また100年の歴史を刻んだ名艇にふさわしい心の在り様をわがものとし、ようやくゴールを迎えることができます。
それは遥かな道のりですが、私と共に始めたシナーラトレーニングが18ヶ月を経過した先日、ひとつの節目として、シナーラのエンブレム授与式を執り行いました。シナーラを操ることを許されたのは、このクルーたちだけ。技術技量は当然のこと、人間性、内面をひたすらに磨き上げてきた18ヶ月。エンブレムは彼らの人格的成長の証です。彼ら一人ひとりの立ち居振る舞いと言動が、リビエラという企業の理念を体現していると感じています。
常に謙虚で、感謝し合える彼らの頼もしい顔つきを、誇らしく思いました。

鎌倉・逗子・葉山
湘南一帯でビーチクリーン

眼前に広がる海によって成り立つ事業を営む私たちは、海の環境を保全し、後の世代に引き継ぐための取り組みを2006年から行ってきました。
社員有志で始めたビーチクリーンもそのひとつ。近年では、志を同じくするリビエラメンバーや地元の多くの方々が楽しげにご参加くださっています。
「環境意識の高い湘南だからこそ心をひとつに手を携え、海に想いを馳せることはできないものか」という提案に、近隣の鎌倉市・逗子市・葉山町とその各首長、アンバサダー、海岸関係者、各漁協組合、漁師、リビエラメンバーなど多くのみなさまが賛同くださいました。そして、由比ヶ浜海岸・逗子海岸・森戸海岸で延べ900名が参加した「リビエラ湘南ビーチクリーン」を第4回リビエラSDGsフェスとして、去る12月5日(世界ボランティアデー)に実現することができました。
リビエラメンバーのみなさまと同様、賛同の声をあげ集まってくださった方々もまた、私たちにとって大切なファミリーです。
〝リビエラファミリー〟のみなさまに、新たな年も幸多きことを祈っています


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