2019年12月発行

渡邊 曻

株式会社リビエラホールディングス
代表取締役会長兼社長

渡邊 曻

「原点」から70年心を受け継ぐ

2020年の幕が開きます。
この年は、なんといっても東京2020五輪/パラ五輪が最大のトピックですが、私たちリビエラグループにとってはいくつもの節目に満ちた、忙しくも取り組み甲斐ある年になるといってよいでしょう。
まずそのひとつは、「白雲閣」開業からは満70年を迎えること。白雲閣は現在のリビエラ東京(池袋)の前身。この料亭が築いたもてなしの心と技は、70年の間、綿々と磨き上げられてきたリビエラの流儀の「原点」です。リビエラ東京ではこの一年間を通じ、70周年にちなんだ各種の記念サービスを展開してまいります。先人から大切に受け継いだホスピタリティの本質を現代のスタイルに包み、お客様をお迎えします。

ラグジュアリーな「海」の愉しみ

新たに本格始動するのは、世界のセレブリティたちが愛してやまない豪華で巨大な「スーパーヨット」の関連事業。モナコやカンヌのボートショーで世界のスタンダードを定点観測的に見続けてきたリビエラが、全国屈指の良港・三崎漁港に関わる方々と連携して、スーパーヨットの恒常的な国内寄港を推進。行政当局からも熱いご期待をいただき、身を引き締めて臨みます。併せて、日本のヨット愛好家に向けて、海外オーシャンリゾートでのスーパーヨット・チャーターや、スーパーヨット販売を開始いたします。
私が特に情熱をもって取り組み、神々しいまでの感動にふるえているのは、木造帆船「シナーラ」のレストア(復元)です。リビエラシーボニアマリーナの特設ドックで進行中ですが、各国から集ったトップレベルの職人たちと、言葉や文化の違いを超え、まさにファミリーとなって挑み続けてきた夢が実現のときを迎えます。
リビエラ逗子マリーナでは、3月26日に「マリブホテル」が開業します。全館スイートの11室。どの部屋からも相模湾を一望できる富士山ビューのこのホテルのオープンで、リビエラ逗子マリーナは、滞在型マリーナリゾートに生まれ変わります。
日本有数のヨットハーバーといわれながら苦境に陥っていたこのマリーナを引き継いで、ほどなく二昔。
この数年、私自身もセーリングの魅力にはまっています。70歳をすぎたオールド・ビギナーとしてつくづく思うのは、晴れた日の海も、荒れて出帆できない海も、ともに雄大で美しいということ。荒れた日さえも自然は美しいから、晴れた日の航海は格別。人生にも相通じています。
この美しさを残し、後の世代にも伝えたい。リビエラ逗子マリーナでは、経営権取得した2006年から「リビエラ逗子マリーナ」を標榜し、「大気」「大地」「大海」を守る取り組みとして小学生を中心とした海洋プログラムの実施や、太陽光エネルギーの利活用などを進めてきました。
この度のマリブホテルは、リビエラの大自然に寄せる思いが結実し、「見える化」したものとなります。リビエラ逗子マリーナの沖合は、東京2020五輪セーリング競技の舞台。その競技運営に参与していることも、私たちの喜びです。

RCCが支える2つの五輪

そして、もうひとつ。例年2月に米国ロサンゼルスのザ・リビエラカントリークラブ(RCC)で開催されている全米プロゴルフツアーの公式戦が、今回から〝招待試合〟に格上げされ、大会名称も「ジェネシス・インビテーショナル」に変わります。
この晴れの舞台は、RCCの精緻を極めたコースメンテナンス技術の見せ場。東京五輪のゴルフ競技に関わるコース技術者の技術研鑽も受け入れます。RCCのノウハウをもって東京五輪に関われることも誇りです。
RCCは開業100周年が目前。ロサンゼルス五輪2028ゴルフ競技会場として、いよいよ準備に拍車がかかります。
トピック目白押しの2020年も、何卒よろしくお願い申し上げます。

ヨットレース

photo Yoichi Yabe / Kazi Magazine


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