2020年3月発行

渡邊 曻

株式会社リビエラホールディングス
代表取締役会長兼社長

渡邊 曻

マリブホテルのグランドオープン

桜の季節が巡ってくることを喜ぶ時期となりましたが、新型コロナウイルスによる心配な状況が収まる気配がありません。お仕事やご家庭で影響を受けておられる皆様には、心からお見舞い申し上げます。
人が集う場を提供しているリビエラにとって一瞬たりと看過できない事態。今こそ、常に心がけてきた「磨き上げ」の真価が問われるときです。施設内はもちろん、公共トイレをはじめ近隣の清掃にも取り組み、ひいては心を磨き上げる。これはリビエラが大切にする3つの企業理念の一つ。全社をあげて出来うる限りの衛生対策を施しながら、遅滞なく、かつ努めて冷静に、事態の推移に対応していきたいと考えています。
それでも……と、あえて申し上げます。春はやはり新しいことを始める季節です。リビエラグループにも、満を持してスタートさせる新たな展開があります。リビエラ逗子マリーナの一角に、ついに「MALIBU HOTEL(マリブホテル)」が完成。グランドオープンの日を迎えました。
マリブホテルは、スモールラグジュアリーをコンセプトとするオールスイート全11室。どの部屋も大きな窓を備えたハーバービュー。はるか富士山まで見渡せるこの眺望は、河口湖畔で育った私のこだわりです。富士は日本人の心の拠り所。インバウンドのお客様にも、ぜひ知ってほしい圧巻の眺めです。
相模湾の絶景を、ただゆったりと味わい尽くすことは、宿泊滞在ならではの醍醐味。マリブホテルの開業で、リビエラ逗子マリーナはいよいよ〝滞在型マリーナリゾート〟の機能を備えることとなりました。このマリーナの運営を引き継いだ22年前から、念願としてきたことです。

画期的な2つの〝日本初〟

マリブホテルには、米国西海岸で一番人気のオーガニックレストラン「マリブファーム」の日本第1号店も併設。L.A.セレブの絶大な支持を集める身体に優しい美食を、現地マリブビーチを彷彿とさせるこの場所でご堪能いただけます。
またマリブホテルは、太陽光パネルと電気自動車を活用した〝ワークプレイスチャージング〟と〝V2B〟を導入した日本初のホテルです。常時のエコロジーと非常時の災害対応を同時にかなえる先鋭的な技術であり、まさに新たな一歩にふさわしい取り組み。
ラグジュアリーとエコロジーは、対極にある概念ではありません。上質だからこそのサスティナブル。それは、サントロペやポルトフィーノといった地中海沿岸にある古くからの高級リゾートを訪れたとき、深く感じ入ったことです。華麗なハコモノがあるだけではなく、豊かな食や文化、地域とのつながり、そして何より美しい海があり、それが何世代にもわたって持続している。
一歩足を踏み入れれば「これこそがresort(=何度も通う場所)」と感じられるマリーナリゾートを、お客様とともに創り上げ、末永く磨き上げていきたいと願っています。

リビエラらしさそれは
〝チャレンジ〟

新たな一歩―といえば、リビエラシーボニアマリーナで進む帆船「シナーラ」の復元プロジェクトも、陸上工程の最終局面を迎えています。
レストアとは〝船の式年遷宮〟。次の100年の命を吹き込む作業です。企業理念「大自然と共に心豊かに生きる」が凝縮した「リビエラ未来創りプロジェクト」の一環ですが、設計図もない暗中模索の挑戦。
常にチャレンジャーであることが、リビエラらしさということでしょう。
2月の「ジェネシス・インビテーショナル」の際、タイガー・ウッズ氏と語らいました。
44歳になった昨年、PGAツアー勝利に返り咲いた彼もまた、並みの選手の10倍は努力するチャレンジャーです。あの天才にして、その姿勢。触発されました。


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