2023年2月発行

ジェネシス・インビテーショナル
タイガー・ウッズ

予選にもタイガー・ウッズ選手を取り囲む大勢のギャラリー

ジョン・ラーム

左:2023年優勝 ジョン・ラーム選手
右:オーナー 渡邊曻

タイガー・ウッズ

3年ぶりに出場したタイガー・ウッズ選手

タイガー・ウッズ3年ぶりの出場に湧く

米国L.A.にあるリビエラグループのフラッグシップ「リビエラカントリークラブ(RCC)」では、今年も2月に、PGAツアー「ジェネシス・インビテーショナル」を開催しました。タイガー・ウッズ財団が2017年よりオペレーションを務め、2019年より招待試合に昇格した今大会。賞金総額は、昨年より800万ドル増額された2000万ドル(26億4000万円)、そして、優勝賞金216万ドル(2億8500万円)へ。
今年注目されたのは、やはりタイガー・ウッズ選手の出場。2021年2月の大怪我を乗り越え、昨年4月のマスターズで復帰したものの、PGAツアーのレギュラー大会への出場は2020年10月以来。ジェネシス・インビテーショナルには3年ぶりの出場でした。
タイガー・ウッズにとっては、当時16歳でPGAツアーに初出場した思い出の地であるRCC。だからこそ今大会への出場を、手術後のリハビリ中、常に目標としていたそうです。
タイガー・ウッズのプレーを観戦しようと詰め掛けた大勢のギャラリーは、彼の一挙手一投足に注目し、特にティーグラウンドや18番ホールでのショットを放つ姿をなんとか写真に収めようと、ほぼ全員がスマホを掲げ、戦うレジェンドの勇姿に釘付けでした。ギャラリーの中には、おそろいの赤黒のウェアや着ぐるみを身に着けた人も。ここ数年で一番の盛り上がりをみせました。
そして何より、一時は切断するかもとまで言われた右足を引きずり、氷で冷やし、痛みに耐えながらプレーをしている姿は、多くの人に感動を与えました。大会直前に、「腰を手術して足も痛いけれど、試合に出る以上は常に優勝を目指す」と話していたタイガー・ウッズでしたが、試合後には、「自動車事故から復帰後のベストスコア(26位タイ)という点では最高のラウンドができた。4日間歩き切ったことも大きな進歩。僕自身は勝てなかったが、大会は大成功に終わり『勝利』した!」と、満足した様子で話してくれました。
来年も各選手の真剣な戦いを見るのが、今から楽しみです。

最後の一打まで息をのむ攻防48年ぶりの快挙

今年優勝したのはジョン・ラーム選手。一昨年優勝したマックス・ホマ選手に一時は首位を奪われたものの、直後に挽回する粘りを見せました。PGAツアーの初戦からたった2ヵ月で3勝を挙げたのは、1975年のジョニー・ミラー選手以来48年ぶりの快挙です。また、世界ランキングでも、昨年3月以来で1位に返り咲きました。

PGAツアーの変革
ジェネシス招待も上位大会に

ツアーは来季から、メジャー4大会、ザ・プレイヤーズ選手権、プレーオフシリーズ3戦のほか、8つの大会を上位大会と定め、出場選手を70~78名に絞り、全員が4ラウンドを戦う形式に変わります。ジェネシス・インビテーショナルはその上位大会に選ばれました。これまで120名の選手で予選を戦い、通過した選手だけが後半2日間の決勝に進む形式でしたが、トップ選手のプレーを4日間通して観戦できるという点では、トーナメントの楽しみ方が変わり、期待も高まります。

左:2023年優勝 ジョン・ラーム選手
右:大会ホスト タイガー・ウッズ選手

ジョン・ラーム タイガー・ウッズ

100周年を見据えロス五輪まで駆け抜ける

RCCのコースの芝は、弾力性がありクラブが絡みつくようなラフのキクユ芝と、目の強いグリーンのポアナ芝が特徴。それゆえ、プロ選手でさえも、難しさに苦戦しています。
その芝を常に最高の状態に保つために、RCCのコースメンテナンススタッフたちは、夜明け前から作業します。日々グリーンを磨き続けている彼らが見据えているのは、2026年のRCC100周年。
「古き良きモノを磨き上げ次の世代へ」というリビエラグループ共通の理念のもと、最新の技術を用いながらも、コース自体は設計当時の姿を取り戻すための改修を続けてきました。今夏は、大きな工事も控えています。そして、100年という歴史あるクラブハウスもまた、リビエラにとっては貴重な文化財。この歴史を後世に紡いでいくため、クラブハウス全体のミュージアム化に向けた動きも加速させています。
2026年には、全米女子オープンをRCCで初開催します。そして2028年のロス五輪では、RCCが男女ゴルフ競技の会場となります。全米有数のゴルフコースでは、男子大会が主流でしたが、女子の大会を開催できることは、ジェンダー平等という観点からも意義深いもの。SDGsにも力を注ぐリビエラにとって、栄誉なことです。
早くも、USGA、IOC関係者との打ち合わせは始まっています。100年の歴史・魅力をこれら大きな大会で存分に発揮できるよう、コースや施設はもちろん、人間力も磨き上げていきます。

コースメンテナンス

最高の芝をつくり上げるコースメンテナンスのスタッフたち


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